1月の会「ふゆのたのしみ」終わりました!

イベントレポ

2024年最初の天良文庫、1月の会を1/14に開催しました。今回から新たに「詩」を読み始めることに。子ども達がどんな反応をするかドキドキしながら、この日を迎えました。

最初に選んだのは、まど・みちおさんの「空」というタイトルの詩。天良文庫の「そら」がタイトルになっていること、『宇宙のうた』というまどさんの詩集を読んで、詩のことばからのイメージの広がりが気に入って直感でこの詩を選びました。

さっそく読んでみたのですが、1回読み終えた時の子ども達の反応が「え? はやくて何だかよくわからない。もう一回!」という感じだったので、2回目は少しゆっくりめに読むことに。その後「どうだった? どんなことが思い浮かんだ?」と尋ねてみたら、5歳の女の子が「そらが水に浮かんでいるみたいだった」と感想を言ってくれました。水っていうのが、詩の中の言葉にはなかったのですが、海なのか湖や川なのか、はたまた水たまりか、水面とともに空を思い浮かべたようで「すてきだなぁ」と思いました。4,5歳児の頭の中にどんな絵が描かれるのか興味深いです。初めてだったので、私も読み方のテンポや抑揚の付け方、どんなふうに読んだら良いのだろうと脳内で「??」がいっぱいなスタートとなりましたが、やってみて、これはキャッチボールだなと感じました。どんな球を投げるかで、どう相手は受け取るか、その体勢や心理状態などによっても違ってくる。やさしい球がいいのか、直球あるいは変化球がいいのか、その都度考えながら子ども達とのキャッチボールを楽しめたらいいなと思いました。

続いて、絵本の読み聞かせへ。寒い冬でもちょっと心がほくほくあたたかくなるような絵本を、と思い選んだ4冊を『ゆきのひ』『てぶくろ』『フレデリック』『かさじぞう』の順に読みました。天良文庫を始めて10回目、だんだんと子ども達が「絵本の時間」というものをわかってきているなぁと思います。というのも、初回は5冊も連続で読もうとして(子どものことを全く考えず)失敗した私でしたが、今では4冊連続でも、多少お話の長さ・内容の濃さなどの影響もありますが、お話を最後まで聞いてくれる子が増えてきた印象でそれが嬉しいです。

最初の『ゆきのひ』は絵の雰囲気がやさしくて素敵なのですが、ストーリーとしてはシンプルすぎて、なかなか子ども達にとっては入っていきにくい内容だったかも。私もついついしゃべってしまう子ども達に「静かに!」などと言ったりして所々気が散ってしまい‥反省。

『てぶくろ』は「知ってる!」という子どももいて、落とされた人間の手袋に入るはずもない数の動物たちが次々と入っていくという奇想天外なストーリーで、持ち主が急に現れた最後にパッと動物たちがいなくなってしまい、「あれ?描かれていた窓はどこへ?」というようななんとも不思議さが残ります。子ども達も「てぶくろが一番面白かった」と後で口々に言ってくれたので、やはりこの物語のつくりが秀逸なのだなと感じました。動物たちの名を繰り返すのも、リズミカルで読んでいても声に身体がのってきて楽しい絵本です。

『フレデリック』は実は今回のために新刊本で購入しました。レオ・レオニの中では有名なねずみのキャラクターでもあり知った気になっていましたが、絵本を読んだのは実はお初でした。最後に「詩人」と呼ばれ照れくさそうにフレデリックが「そういうわけさ」と言うシーンが私のお気に入りです。冬ごもりののねずみたちに、さまざまな楽しみを与えてくれるフレデリックの存在。人間の世界でもまさにこういう人がいるよな〜と実感します。乾いた世界を潤してくれるような感性や人の手(最近ではデジタル技術も駆使しつつ)によって生み出されるエンタメ作品、それこそ小説や詩集のようなものまで。絵本もそうですね!おかげで今私は「天良文庫」ができているのだなと思います。

最後の『かさじぞう』は「〜〜したと」や「〜〜あったと」と語尾が特徴的で、意識して方言っぽく読んでみました。大晦日の街の様子や雪の中の地蔵さま、笠をこしらえる村のおじいさんやおばあさんとのやりとりなど、なんとなく知っているような光景が浮かび、赤羽さんの絵からは音まで聞こえてくるような感じがして、やはり親しみ深いです。そんな光景や音といったものが子どもたちとも共有できるよう読み方、語り方をもっと磨いていきたいです。

読み聞かせの後は、そのまま「たこの凧」の①【絵付け&色塗り】の時間!私が下絵を描きOA和紙に印刷した凧に色塗りをする子、まっさらな凧に自分でたこの絵を描く子、それぞれいて、また凧のしっぽ部分まで塗る面が広かったため、これがやってみると想定以上に時間がかかりました。

天良文庫でアクリル絵の具を使うのももう3回目なので、みんなもう手慣れたもの。凧の絵付けには本当は染料がムラもなく、乾けば軽く仕上がるので向いていると思うのですが、好きな色を紙パレットにのせて、楽しそうに自分だけの色を作って塗り始めていました。この時間が一番集中してくれる(笑)1時間近くかかったでしょうか。

それでも「凧」づくりにはまだまだたくさんの工程があります。乾くまでの間におやつを食べたり、おもちゃで遊んだりと、子ども達は動きっぱなし。しかもその間に10mの「あげ糸」を糸巻き芯に巻いていく②【糸巻き作業】を大人と子ども、ペアになってやりました。「い〜と〜巻き巻き」の作業だよと言って、子ども達もやってくれました。

続く3本の竹骨をボンドで凧に貼る③【竹骨貼り】工程の時には、①の凧絵が乾く順だったのでばらばら状態ではありましたが、なんとか一人一人を机に呼び作業できました。続いて④【穴あけ】⑤【張り糸つけ】の作業へ。ここは大人達の出番。手伝いに来てくれた大学1年生の住谷ポオラさんやお母さん方が頑張ってくれました。張り糸は、凧があがるように横骨にカーブをつくるためのもの。上骨と下骨それぞれ行うのですが、下骨の方をよりカーブを強くしました(これは「しろね大凧と歴史の館」のスタッフHさんのアドバイスより。「六角巻凧」の場合はそうするのだそう)。しかし、ここでタイムアウト!凧は時間内には完成できませんでした。

みんなが帰った後、私の方で⑥【糸目いと】を通し、⑦【凧のしっぽ部分を切って本体に貼り付け】、そこまでやってようやく凧が完成しました!とても2、3時間で仕上がるものではありませんね(苦笑)12月にアドバイスをお願いしにお会いした三条市・須藤凧屋の凧職人、須藤さんのおっしゃっていたことがよくわかります。

最終的には、個性豊かなバラエティに富んだみんなの「たこの凧」が無事できてよかった!こうして並べると圧巻!色の選び方、塗り方の表現もさまざまで面白かった。私も子ども達に刺激を受け、一つ作ってしまいました(右下)。そして翌日にはみんなにお渡しできました。

あとはお天気の良い日(これが新潟の冬の場合はなかなか…)にあげるだけ。また凧あげをしたらHPにアップしたいと思います。楽しみだなぁ〜

写真協力:中沢結美子さん、桾沢直

<追記> その後、1/20と1/30に凧あげできました!無事あがってくれて一安心。参加メンバーからも「凧、あがりました〜」との報告を聞けて嬉しかったです。

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