「天良を憶う会」ご報告とお礼にかえて

イベントレポ

10月14日、秋晴れの新潟は、にっこりと微笑んでいるような青空に恵まれ「天良文庫 presents 天良を憶う会」を無事開催することができました。天良文庫・世話人の私はというと、11月になっても未だあの日の感動や感覚が身体から抜けきらないまま。まだあの時の感覚に浸っていたいという気持ちと、ふわふわとしたぼーっとした不思議な心地でここ数週間を過ごしてきました。

天良文庫を始めるきっかけとなった次男・天良の命日に合わせ、何ヶ月も前からこの日をどう過ごそうかとぐるぐる考えを巡らせてきました。「家族で静かに迎える」という選択もありましたが、私は天良が「僕を思い出して」「みんなに会いたい」と言っているような気がして、この会を企画しました。正直に言えば、私自身、天良のことを気にかけてくださっている友人やご縁ある皆様と一緒にこの日を過ごせたら、自分の心の寂しさも少しはまぎれるのではないかという思いもありました。

そして当日。ふたを開けてみると、本当にたくさんの方が我が家に来てくださりました。天良の祭壇には、さまざまな人が届けてくださったお花やお菓子が並び、ひときわ賑やかに!皆様のお心遣いにこの場を借りて感謝いたします。ありがとうございました。

「そらへのメッセージボード」は前日の13日〜28日に足を運んでくれたみなさんのコメントとチェキ(お顔写真)でいっぱいになりました!!ここにご報告させていいただきます。(詳しくメッセージを見たいという方はメールをいただければ、高解像度の写真を送らせていただきます)

ボードに一人一人、思いを込めて書いて(描いて)くださったメッセージを拝見し、「こんなにも天良のことを思ってくれていたんだ」とか「天良がみんなの心の中で今もあの笑顔のまま生きているんだ」とか直接天良のことを知らなくても、天良が心穏やかに過ごせますようにと祈ってくれたりと、言葉にならない、あたたかい感情が込み上げ涙が溢れました。私自身のコメントは本当に言葉足らずで、寄せてくださったみなさんの言葉がそれを見事に広げてくれて、“今も心の中に一緒に生きている天良という存在”をくっきりと浮かび上がらせてくれた気がして、とても嬉しかったですし、心強かったです。

会では、天良の仏壇にお線香をあげてもらうことはもちろん、絵本の読み聞かせや合唱披露の時間を設けさせていただきました。

絵本の読み聞かせは、8月に縁あって知り合うことができた読み聞かせの大ベテラン、見附市で「おはなしぶんこ」をなさっている岩野ほずえさんにお願いしました。事前の打ち合わせで、お月見シーズンの秋「これが大型絵本になっていてとても迫力があるよ」と推薦してくれた『パパ、お月さまとって!』(作:エリック・カール)の大型絵本を図書館で運良く借りることができ、読み聞かせしてくださりました。私もページをめくるお手伝い。子ども達は絵本に釘づけになって、最後まで楽しんでくれました。とても愛らしいお話で、まん丸おつきさまのように自然と笑顔になります。

ほずえさんは、他にも天良文庫にある絵本を手にとって、何冊かその場で選んでくださり、集まっている子ども達の年齢や好みに合わせた絵本選びをしてくださりました。またその場でのリクエストにも応えて読んでくださったり、そのあたりさすがだなぁと私は感心!

例えば、赤ちゃん連れの方もいらしたので、8月に作者の松岡達英さんがゲストにいらしたイベントで手に入れたばかりの『ぴょーん』をさっそく読んでくださり、絵本を「ピョーン」という言葉に合わせて動かしたりするその様子や、指を使ったり、途中歌も交えながら読む『はらぺこあおむし』も私は初めて生で体験することができ、とても参考になりました。ほずえさんの読み聞かせは、聴く側の私自身が子どもに還って、母に読んでもらっているような心地よい感覚があり、そんなふうに私が聴き手に感じてもらえるようになるには、まだまだ時間がかかるかもしれませんが、ひとつの着地点を見せてもらったような気がします。ほずえさんをお招きして本当によかったなと思います。すてきであたたかな時間をありがとうございました!!

また、読み聞かせの合間には、東新潟中学校・合唱部2年生有志による合唱も披露していただきました。自宅で合唱部のみなさんにうたを歌ってもらうというのは、最初思いついた時には、ちょっとご近所に迷惑かなとか、わざわざ休日に歌いにきてくれるかなとか、不安が大きかったのですが、顧問の横山礼子先生はじめ保護者のみなさんにもご理解いただき、合唱部メンバーである娘(ソプラノ担当)の他に7人の合唱部員のみなさんが歌いにきてくれました。歌った曲目は「Chessboard」「ぜんぶ」「Replay」の3曲。特に3曲目の「Replay」は、昨年のNコン(NHK合唱コンクール2022)の中学の課題曲で、娘たちが出場した新潟大会のもようを後日放送したラジオを天良と一緒に聞いたりした思い出深いものでした。狭い住宅の一室という初めての空間で、お客さんとの距離も間近な中、熱のこもったうたと演奏を披露してくださり、その音の振動が魂に直接訴えかけてくるような、声量もものすごくて、今までにない濃密な体験をさせてもらいました。一緒に聴いた子ども達、友人たちは口々に「感動した」「涙が出た」「うたを一生懸命歌っている娘さんの気持ちを想うと・・言葉にならない」と感想を聞かせてくれました。横山先生も「本当に心温まる素敵な時間でした。生徒達にとって発表の場とはいえ、命に向き合う生きた学びの場でもありました。さまざまな思いを胸に成長していってほしいです」とコメントを寄せてくださり、そうであったら本当にうれしいなと、やってよかったなと思いました。部員である娘が最初にこの企画を「うん」と言ってくれなければ実現しえなかったと思います。娘にも改めてありがとうを言いたいです。

他にも、階段をギャラリーに見立てた「わたしの大切な絵本」展や、天良の動画を自分なりに編集して約14分にまとめた映像「天良との日々」を上映したり、天良文庫応援コーナーと称して、「天良文庫」オリジナル缶バッジの入ったガチャガチャやイラストをお手製プリントしたbagの販売、カンパくださった方々に初めて今回作った天良文庫の冊子『天良文庫の窓辺から』を頒布したりと、相変わらずやりたいこと全部を詰め込んだ会となりました。当日天良文庫の活動にご寄付くださった皆様、冊子制作などにご協力くださった皆様に改めて感謝申し上げます。

映像「天良との日々」や合唱部による「うた」のもようは、11月末までの期間限定でYoutubeにて限定公開しております。もし知人の方で見てみたい、もう一度見たいという方がいらしたら、桾沢までメッセージください。リンク先をお知らせします。

何の因果か自分の息子の生後5ヶ月での突然死、そして「一周忌」を迎えるという、本当は経験したくもないことを経験し、それでも家族や友人知人たちに支えられ、何とか前を向いて生かしてもらっている私は今、自分の残りの人生について想いを馳せています。いただいたこの限りある命を大切に、残りの時間を「天良文庫」や大切な人たち、大切な存在とともに生き切る。そのことをまっすぐに追求していきたいと思います。今後もあらゆる場面でお力添えをいただくことがあると思いますが、引き続き、どうかよろしくお願いいたします。「天良を憶う会」のご報告とお礼にかえてー。     桾沢厚子

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