〜ご報告と感謝〜 10/13「夜空の幻燈会」

イベントレポ

10/13(月)祝日だったこの日、水の駅ビュー福島潟 6Fの展望ホールで、2回目となる「天良文庫presents 夜空の幻燈会」を無事開催することができました。なかなか振り返る時間が取れず今になってしまいましたが、関わってくださった皆様、参加してくださった皆様に心より感謝申し上げます。きっとあの場に一緒にいた天良にも「ありがとう」と伝えたいです。

昨年のBond…での奇跡的な屋外開催に対し、今回は天候に左右されない有難いホールでの幻燈会。天気は雨続きの中の曇りマークでなんとか晴れてくれて、夜空&潟周辺の夜景を360度見渡せるガラス貼り空間に宮沢賢治の童話『オツベルと象』が、小林敏也さんのスライド、佐藤明子さんの朗読、さらには前田美華さんのチェロも相まって演じられ、束の間の幻想世界へと会場のみなを連れて行ってくれたように思います。

会の冒頭、主催の私から挨拶をし、生後175日で早逝した次男・天良(そら)のこと、天良文庫を始めた経緯などに触れてから幻燈会を始めました。音楽、そしてチェロが好きだった宮沢賢治。チェロは人の声の周波数に近いのだと、演奏してくれた前田さんが後で教えてくれました。賢治の想いが時を超え前田さんのチェロの音(賢治の声?)となって届くような、素敵な無伴奏組曲(バッハ作曲)で一気に会場はあたたかく、ほのかな熱気を帯びた空気に包まれました。

そこで暗転し、『オツベルと象』のタイトルが読まれ「ある牛飼いが物語る」と語り部の牛飼いが登場。するとサン=サーンスの組曲「動物の謝肉祭」より「象」が聴こえてきます。象があの大きな体でゆったりと歩くシーンが思い浮かび、お話の中の象はどんなだろう?と想像をかきたてられるチェロ演奏でした。普段はチェロより大きな(低音の)コントラバスで演奏されることの多い「象」ですが、チェロですと少し軽やかに聞こえて、話の導入にぴったり!と私は思いました。ご提案くださった朗読の佐藤さんに感謝です。

本編が始まると、今度はスライドの「画」に目がいきます。「のんのんのんと」足踏み式の稲こき機械がフル稼働の農場。「稲をこく」というのは、稲穂から籾(もみ)をこき落とす脱穀のことで、子ども達には馴染みのない昔の機械ですが、それが忙しなくのんのんと回転し、画面いっぱいの籾がパチパチとあたりを飛ぶのが伝わります。小林さんの画本(えほん)では、茶色のクラフト紙に印刷されたスクラッチ技法による版画絵。それが幻燈会では背景が白地となり、画本とはまた違った印象を受けます。黒く描かれた百姓どもやオツベル、そして白象はベージュグレーになっていて、オツベルの帽子や張子の靴、龍の眼、童子の衣の赤もパッと目に飛び込んできます。光で再現されているせいか、どことなく目の錯覚なのか、画面の中の人物が動いているような気がして…会場の空気ごと絵本になったような臨場感が物語の進行においてとても効いていたように思います。

スライド操作は、作成者である小林さんご本人にやっていただきました。右手にパソコン、左手にプロジェクターを置き、横から同時に2つを操作。レンズの絞り(焦点を合わせる部分)を回してあえてぼやけさせたり(白象の涙でにじむ視界を再現!)、光を厚紙で遮ったり、(本当は)ガタガタと画面を揺らすことも象たちがイキリ立って攻め入るシーンではやりたかったのだけど(プロジェクターの仕様のため今回はできず)とおっしゃっていましたが、そんなふうに単なるスライドショーではない、手作業の映写を心がけてくださいました。

朗読の佐藤さんの声も、透明感と奥行きがあって素敵でした。絵本の読み聞かせや朗読を子どもだけでなく、「大人のための絵本LIVE」と称して大人たちに向けても続けてこられた佐藤さん。読み聞かせに関わる人たちの中では、絵本ではあまり感情を入れずに読むことが推奨されているといいますが、今回は「感情を入れて読むわ」とリハ前の打ち合わせでおっしゃっていたとおり、登場するものの感情の機微まで声で表現されていて、心に直に響いてきました。少しの新潟なまりもまた味となっていてよかったです。幻燈会が終わってもしばらく佐藤さんの「グララアガア グララアガア」の叫びが離れず、脳内をこだましていました。

物語の最後、「白象はさびしくわらってそう云った」のあたりでは、なんとも切ない気持ちに。その余韻の中、前田さんの繊細な「白鳥」(同じくサン=サーンス作曲)が響き、背後のスライドでは物語のキーにもなっている「月」が映されるという構成も今回の幻燈会ならではの演出で良いなぁと思いました。もう少し物語の余韻に浸っていたかったのですが、司会者の私がいそいそと演者紹介を始めてしまい…(苦笑)それぞれのお言葉が良かったのでご紹介します。

●小林敏也さん「いかがでしたか?もともとカメラで撮ったフィルム1枚1枚を【幻燈】として上映していましたが、世の中デジタルになって、あまり僕はデジタルが好きでないので。今日もデジタルではやっているんですけど、アナログで失敗したりして、レンズの前に色々なことをやったりしてます。工夫することが楽しくてこのような幻燈をやっております。」

●佐藤明子さん「実は13年前にここ福島潟で幻燈の小林さんとチェロの前田さんと幻燈会をさせていただきました。去年はBond…さんでの幻燈会にお客さんとして参加させてもらいました。今回2回目のお誘いをいただき、ついうっかり引き受けてしまいました。天国にいる天良くんに楽しんでいただけたらと思って、我を忘れて語りました。みなさん、ありがとうございます。」

●前田美華さん「今日は心が動いた体験でした。宮沢賢治はチェロが大好きだったということなんですけれど、私もチェロが大好きで、その共通点があったからこうしてこの場に参加できたのかなと思います。つくづく賢治と趣味が合ってよかったなと思った日でした。こんなにたくさんの皆様にお越しいただいて感謝いたしております。ありがとうございました。」

その後小休憩に入りました。

会場では、小林さんの『オツベルと象』の原画5点の展示や北書店による小林さんの「宮沢賢治・画本シリーズ」(好学社)の販売、天良文庫グッズ販売などを行い、多くの参加者の皆様に買っていただきました。

今回、新潟市東区の旬果甘味店rucotoさんと今回特別にコラボした「象と夜空のクッキー」は20個限定で早々にSOLD OUT!rucotoスタッフが丁寧に一つ一つアイシングを施し、キュートすぎない象を表現してくださり、味もしっとりとした美味なクッキーでした。コラボに快く応じてくださったrucotoの佐藤千裕さん、ちえさん、ありがとうございました!

北書店によると画本もたくさん買ってくださったとのことで、多くのみなさんに私も大好きな小林さんの画本シリーズを届けられて、ありがたい限り。原画展示(展示の様子の写真を撮っておらず、、、どなたかこの時の展示物や展示風景の写真があれば送ってください!)のためにイーゼルを貸して下さった砂丘館の大倉宏さんにも感謝です。

さて会の後半は、スライド撮影タイム〜歌とピアノ演奏でした。歌は昨年も歌った宮沢賢治作詞・作曲の「星めぐりの歌」。会場には賢治好きな方が多かったとみられ、多くの方が声を出して歌ってくださいました。お恥ずかしながら、わが息子(小1)もちょっと音程をはずした大声で歌い、場を盛り上げてくれていました。

その後「星めぐりの歌」で伴奏を担当した娘の桾沢直(高1)によるソロのピアノ演奏へ。

リハ時(10/11)のピアノ演奏とスライド

昨年もBond…のピアノで演奏したので今回で2回目ですが、聴いてくださった人数が倍以上だったので、すごく本人、緊張したのではないかと思います。そんな中、1曲目の「Shining Boy & Little Randy」(坂本龍一作曲、映画『星になった少年』より)はとても切ない響きで、夏くらいからの練習が功を奏して、親の私が言うのもおかしいですが、心に残る素敵な演奏だったと思います。最初はピアノだけのつもりでしたが、娘が弾くこの曲を聴きながら、どうしても天良のこと、天良という命が在ったことを会場にいらっしゃるみなに伝えたくて、曲の尺に合わせ天良の写真と動画によるスライドショーを作成し、何の予告もなく流させていただきました。1曲目の演奏の様子をYouTubeにて公開しましたので、お時間のある時にぜひご覧ください↓(※映像の最後の部分の文字が見にくいので、YouTubeの「説明書き」に記しました)

演奏が終わると「すすり泣く声がきこえてきた」と娘が話していたように、私たちの想いを受け取り、心が動いたという方も多かったように感じました。最後に「Merry Christmas Mr.Lawrence」(坂本龍一作曲、映画『戦場のメリークリスマス』より)を演奏し、皆様にたくさんの拍手をいただいて幻燈会は終了となりました。曲中私も感情が高ぶってつい涙が・・。

当日受付や物販を担ってくれた文庫メンバーのみんな、最後の片付けを手伝ってくださった参加者の皆様、宣伝やアドバイスなどもいただいた昨年の朗読者の渡邊純子さん、会場関連で大変お世話になったビュー福島潟の中野館長、中村副館長、本イベントに関わってくださったすべての皆様に感謝申し上げます。結果的に関係者も入れて130名にご参加をいただきました!!おかげさまで「また、やりたい」との気持ちが芽生えた夜空の幻燈会となりました。

次なる物語との出会いを求め、また一歩ずつ「天良文庫」の歩みを進めたいと思います。

※当日のアンケートのまとめはこちら。(ご回答いただいた皆様、ありがとうございました)また会場でいただいたカンパは計29,545円でした。本当にありがとうございました!文庫活動のために活用してまいります。

アンケートでいただいたご感想・ご意見をいくつか抜粋して紹介します↓↓

  1. 秋の夜空を背景に、音楽と人の優しさを感じられたひとときでした。
  2. 素晴らしかったです!初めて幻燈を体験しました。幻想的であたたかく心地よい時間でした。
  3. スライドが美しく朗読と音楽もよかった 音響がよく聴きやすかった
  4. 始めのチェロ演奏が子供には長いかな…と思いましたがどんどん惹きつけられていった様子でした。朗読の佐藤さんの声が心に響きました。
  5. ろうどくの声がきれいで、「オツベルと象」に合っていたと思います
  6. 星めぐりの歌、好きな歌でしたが、みんなで歌うのは初めてでした。大きな声で歌っている子どもの声にとても元気をもらいました。直さんの奏でるピアノの旋律は、あまりにも透きとおった音で涙が溢れました。
  7. ピアノ演奏が本当に、響いた。ありがとうございました。
  8. セロ弾きのゴーシュを思いながらチェロを聴きました。素人ですがピアノも大変素晴らしかったです。
  9. とてもきれいな音色でした。気持が伝わりました。
  10. 最後のピアノ演奏には感動してしまい涙がこぼれました。「星めぐりの歌」を知りませんでしたが覚えたいと思います。
  11. 歌は皆で参加できてよかったです。
  12. 福島潟から見える夜空も素敵でした。こどもたちが自由に過ごせる空間も良かったです。こどもたちの話し声や存在も雑音ではなく、丸ごと演出の一つになればもっと素敵な幻燈会になると思いました。
  13. 福島潟の夜空と丸い建物も雰囲気が素敵でした。天良文庫の成り立ちも知り、かわいいしかない天良くんの写真を見せて頂きありがとうございました。文庫にも伺いたいです。
  14. 終演後、自分の周りで【最後は宮沢賢治の世界感に触れたまま家に帰りたかった】といった声も聞こえました
  15. 会場も、参加費も、運営の方も、見に来られた方も、一体感があってよかったです。
  16. 子供達の1日1日を大切に思い、日々に感謝をしよう。そんな気持ちで帰宅しました。
  17. 小さい子にも親しんでほしい宮沢賢治の世界ですが、、ややレベル高すぎるかも?大人が楽しむにはステキな構成。それだけに演奏中の小さい子の動きが気になった。
  18. 本を読むのとはまた違った素敵な体験ができた。

秋の夜空を背景に、音楽と人の優しさを感じられたひとときでした。

素晴らしかったです!初めて幻燈を体験しました。幻想的であたたかく心地よい時間でした。

スライドが美しく朗読と音楽もよかった 音響がよく聴きやすかった

始めのチェロ演奏が子供には長いかな…と思いましたがどんどん惹きつけられていった様子でした。朗読の佐藤さんの声が心に響きました。

ろうどくの声がきれいで、「オツベルと象」に合っていたと思います

星めぐりの歌、好きな歌でしたが、みんなで歌うのは初めてでした。大きな声で歌っている子どもの声にとても元気をもらいました。直さんの奏でるピアノの旋律は、あまりにも透きとおった音で涙が溢れました。

ピアノ演奏が本当に、響いた。ありがとうございました。

セロ弾きのゴーシュを思いながらチェロを聴きました。素人ですがピアノも大変素晴らしかったです。

とてもきれいな音色でした。気持が伝わりました。

最後のピアノ演奏には感動してしまい涙がこぼれました。「星めぐりの歌」を知りませんでしたが覚えたいと思います。

歌は皆で参加できてよかったです。

福島潟から見える夜空も素敵でした。こどもたちが自由に過ごせる空間も良かったです。こどもたちの話し声や存在も雑音ではなく、丸ごと演出の一つになればもっと素敵な幻燈会になると思いました。

福島潟の夜空と丸い建物も雰囲気が素敵でした。天良文庫の成り立ちも知り、かわいいしかない天良くんの写真を見せて頂きありがとうございました。文庫にも伺いたいです。

終演後、自分の周りで【最後は宮沢賢治の世界感に触れたまま家に帰りたかった】といった声も聞こえました

会場も、参加費も、運営の方も、見に来られた方も、一体感があってよかったです。

子供達の1日1日を大切に思い、日々に感謝をしよう。そんな気持ちで帰宅しました。

小さい子にも親しんでほしい宮沢賢治の世界ですが、、ややレベル高すぎるかも?大人が楽しむにはステキな構成。それだけに演奏中の小さい子の動きが気になった。

本を読むのとはまた違った素敵な体験ができた。

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