平和台文庫の〝おはなしのじかん〟に参加!

文庫訪問記

3月25日、第4土曜日のこの日、1978年から活動を続けていらっしゃる「平和台文庫」さんの〝おはなしのじかん〟があるとのことで、管轄の坂井輪図書館の司書の方に代表者の黒川幸子(こうこ)さんを繋いでもらって、お話を伺いにお邪魔してきました!

〝おはなしのじかん〟は新潟市内の図書館で開催される、図書館職員やボランティアの方による絵本の読み聞かせや紙芝居、わらべうたなどを行う会のこと。実は私は一度も娘や息子を連れて行った経験がなく、せっかくの親子での読み聞かせ体験の機会をつくらずにいました。

そこで、今後は自分が読み聞かせをするのだから、ぜひ生の読み聞かせを体験したいと探したところ、令和3年度・読み聞かせボランティア団体のリストを見つけました。市内に45団体もあり驚きでした!中でも目にとまったのが活動開始年が最も古い西区の「平和台文庫」。ぜひここに行きたい、お話をきいてみたいとリストの問い合わせ先である中央図書館に尋ねると、第2・4土曜日に西内野地区図書室で〝おはなしのじかん〟があると知り、早速お訪ねすることに。

14:00スタートの〝おはなしのじかん〟。時間前に西コミュニティセンター2階の「西内野地区図書室」に寄ってみました。絵本や児童書が充実していて、お母さん向けの本が多い印象でした。

スタート時間に合わせ1階の和室に行ってみると、「平和台文庫」と刺繍されたエプロンをまとった代表の黒川さん、後藤さん、小嶋さんという3人のメンバーが机に絵本を準備して待っておられました。参加者は私たち家族と、もう1組(お母さんと姉妹)。

簡単な手遊び歌から始まり、『3びきのやぎのがらがらどん』を黒川さん、続いて『いちにちぶんぼうぐ』を後藤さん、『おおきなかぶ』を小嶋さんが各々読んでくださり、その後『おばけのアイスクリームやさん』『おばけのてんぷら』を続けて黒川さんが読まれました。最後にまた少し歌って終了!

全部で5冊、時間にして20分位でした。

4歳の息子は初めて会った女の子と隣同士に座り、時にひじをついて寝転びながら、自宅のようにリラックスしてお話を聞いていました。元々2冊は知っていたけれど、全然飽きずに聞けていたようです。

経験者による生の読み聞かせを体験し、私は「声の大きさはこんなもんでいいのだな」とか、自分の親が絵本を読んでくれた記憶はあまり残っていないのですが、母と同世代のお母さん方が読んでくださる様子になつかしさと、フッと緊張が解けていくような居心地の良さを覚えました。

私の感覚では、5冊は多いという感じが全くしませんでした。先日、天良文庫で自分が読んだ時には正直5冊が長く感じられました。子どもが最後まで聴いてくれるかドギマギしながら、時に焦りながら読んでいたからなのかも。やり方(この場合は、読み手をバトンタッチするなどの工夫、お話の前後に歌や手遊びを取り入れる、読む際は声色を変えたり、時に語りかけたりしながらも語りのペースは崩さない…など)次第なのではないかなと思います。

おはなし会の後、メンバーの3方からお話を伺いました。以下、代表の黒川さんのお話より。

「読み聞かせノート」を手にお話される「平和台文庫」代表の黒川さん

(天良文庫を始めた経緯を聞き)たぶん発足した時の気持ちは大体私たちも似ています。

50年前、この辺は図書館も小学校もなかったの。赤ん坊のいる子育て真っ最中な私たちが、一番近い内野図書館までわざわざバス代だして気軽に連れて行けないと。そんな時「市政懇談会」というものが地区の古い集会場であって「図書館らしきものがほしい」と市長や市の関係者の方に訴えたら「そうですね、そういうものが必要ですね」とご理解いただいて、その後平和台自治会、西地区公民館の協力を得て、賛同者を募り出資金(発起人8名、1人500円)を出し合って文庫活動を始めました。

当時この辺には子どもがいっぱいいて、発足時150人の会員が集まったの!1人100円ずつもらってそれを運営費にあてた。本は何もなかったから、県立図書館に100冊貸してもらい、平和台地区の旧集会所(プレハブ)の部屋を借り、そこで貸し出しを開始した。100冊の本に対して150人ですよ!本が足りなかったの(笑)

月100円の会費で、図書館への本の借入・入れ替えのために必要な運搬費(ガソリン代)を払ったり、「文庫だより」を発行して会員たちに会費のお礼としていた。おたよりは当時手書きで下版をつくるガリバン刷りで作っていました。

毎週土曜日14〜15時頃、平和台周辺の子ども達がたくさん来て。飢えていたんですね、本や遊びに。旧集会所での家庭文庫は100冊を1週間貸すようにして3ヶ月続いた。最初の頃、私たち発起人に加え、若いお母さん方が集まり運営メンバーとなってくれて、平和台文庫の活動規約をしっかりとつくったり、係を決めてみんなで文庫活動に取り組んだ。

その後、集会所が新しくできるということで、平和台地区に図書室(これが今の西内野地区図書室の元となる。その後予算がついて絵本や児童書を購入したり、寄贈図書も入るなどして充実していくことになる)つくったタイミングが良かったんでしょうね、その頃取材がきてとても賑やかでした。

また幸運なことに、新潟大学が当時五十嵐地区にできたことで大学関係者が協力してくれて、学生さんも色々と手伝いにきてくれた。「おたのしみ会」のようなイベントがついコロナ前まで続いていて(今は休止中)、ずっと継続して手伝ってくれていたんですね。

「おたのしみ会」では、屋外での読み聞かせ(緑陰図書)、リコーダー演奏や劇、お面づくり、ミニコンサート、人形劇など季節ごとに様々な行事もやってきた。

近くの西幼稚園の園長先生だった眞壁葉子さん(先日お邪魔した野の花文庫の!)も応援してくださって、西幼稚園のお母さんグループ11人が文庫運営の中心メンバーになるんです。また司書の方も関わり読書指導していただいたり、文庫ではいろいろなことをやってきた。手作りのチラシも配布して、次につなげて…という広報もやってきた。

平和台文庫の名前は、地域名が平和台だったので、みなで話し合ってすぐに決まったんですよ。

そして、後藤さん(●)や小嶋さん(○)からも文庫運営にあたってのアドバイスをいただきました。

●お一人でやると、きついかなっていうのがある。お友達でも誘って2、3人でやるとよっぽど負担が減るかもしれないね。私たちは人数がいたから分担してやってこれた。

●本を貸し出すのであれば、無くす、汚す、壊す、それは何かしらあるので、それを承知のうえであれば問題はないけれど、自分のお家にある本を貸すのはなかなか勇気がいること。貸し出す本は、登録してもらってかつ記録に残せる体制にしておかなければ。

●図書館から団体貸出を利用して借りてくることもできる。ただ、たとえそれで数を増やせたとしても返さなきゃいけない。選ぶのも借入・返却に行くのも100冊を超えるとそれだけで大変なんですよね。

●だから、自分一人でやれるところまでやってみて、どこまでやれるか問いかけながらやってみて、お友達に声をかけて様子みながらじわじわと体制を整えていくのがいいのかなと思いますね。あまりいきなり頑張りすぎないで、でないと長くは続かなくなるので。

○ここの文庫のいいところは、みんなあんまり無理しないんですよ、本当に。読み聞かせも基本月2回、あとは図書館と保育園でも分担してやっている。

○そんなに数をやっていなくても、けっこうバタバタしてくることはある。広報も全地域回覧していくので、それなりに手間はかかる。そこまで広げなくてもまずはお友達周辺で小さなチラシを配るとか、無理せず広報していけるといいですね。

○読み聞かせはね、ずっと一人でやるより、数人でやってみると意外と飽きがこない。

○図書館でやる「読み聞かせボランティア入門講座」に参加されてみては? 新潟市では講習会を受けないと、おはなしのじかんボランティアには参加できないんですよ。私たちもみんな受けました。本の持ち方から捲り方から、色々と参考になると思います。

さらに黒川さんから嬉しいお言葉をいただきました。

「今回、天良文庫をお一人で始めて、大人数でやるのも一人でやるのもメリットデメリットはそれぞれにあると思う。でも読み聞かせするにはやはり熱意って一番だよね。そらちゃんの文庫をつくるっていう熱意ね。そのエネルギーで、きっとこれからいいことがつながると思う。

私も桾沢さんくらいの年齢の頃、寝ての起きても文庫のこと、楽しんでやっていた。スイカ割りやったり、前日の夜から仕込んだこんにゃくを食べたり、足場の悪いお庭で青空文庫をやったり、その準備やワイワイやったことが自分たちも食べたり楽しんでいるから、苦じゃなかったんですよ。

あと助成金にも目を光らせていくといいよ。私たちも伊藤忠商事からいただいた助成金(30万円!)、あの時は地元で報告会を70人集めてやって、とてもパワーが出たね。実績をつくれば支援も色々とあるから、未来が開けてますよ!パワーがある時にぜひ進めてね。お姉ちゃんも手伝ってくれていいわね」

最後に子どもが少なくなっているという話題の中で、時代の流れで平和台地区も子どもが少なくなって10年くらい。文庫にいっぱい子どもが来ていた頃と違うのは、子どもを一人で出しちゃいけない時代になって、子どもが来なくなっちゃった。親が必ずついてくるようになったこと。全国的にもそうなっているんじゃないかしら。今は内野西が丘の方に小さい子がいっぱいいる。その子どもたちをどうやってひっぱってくるかが課題なのだそう。45年も活動を継続してきた平和台文庫さん。まだまだ子ども達に本を読んであげたいとの思いを継続・共有しながら、次なる地域の課題に挑戦する姿に感動を覚えました。

発足から10年の年に発行された記念誌『明日へのあしあと』を先日拝読し、まさしく地域のみなさんで作ってきた地域文庫なんだと感じたことが、実際に黒川さんたちのお話からも強く感じました。

平和台文庫10周年記念誌『明日へのあしあと』

記念誌内の新聞記事に掲載されたお母さん方の以下の言葉が心に沁みました。

「大人になったとき心の片隅にでも残ってくれたら。本は人生に影響するはずです。子供とじかに触れ合い、人のぬくもりも与えられると思います」

地域で文庫活動をやっていくにあたり、こういう思いを私も大切にしたいなと改めて思いました。

後列左から右回りに、後藤さん、小嶋さん、黒川さん、息子と私(撮影は娘)

平和台文庫のみなさん、ありがとうございました!!

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